CFRとは
特許取得:特許第6531245号
CFR(カーボン・ファイバー・ラバー)は、ゴムと炭素繊維を複合化した製品です。
炭素繊維は、「ものづくり高度化法」に定められる難接合材料で、これまで接合技術が確立されていませんでしたが、当社独自結合技術で強固な接合を実現しました。
CFRは、高強度で軽い素材である炭素繊維の特性と、ゴムの弾性や柔軟性を持ち合わせ、『軽量、高強度、衝撃吸収性、柔軟性など』を有する新しい複合素材です。
弊社ではこの技術を使って、これまでにない新素材のゴムシート、『CFRシート』の製造・販売を開始しました。
CFRシートの構造
ゴムと炭素繊維織布を接合させるため、独自開発した結合技術を用いて成型加工する
1本あたり5〜10umの炭素繊維を、数千本〜数万本の束にし、その束で織ったもの
CFRシートの主な特徴(CFRP/TPとの比較)
ゴムと炭素繊維の『CFR』シート | 強化プラスチックと炭素繊維のCFRP/TPシート | |
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軽い | 比重は鉄の1/5 | CFRと同程度 |
強い | 引張強度は鉄より10倍強い | CFRと同程度 |
耐衝撃性 | CFRP/TPの4倍程度の衝撃吸収性 | 衝撃吸収性に乏しい |
柔軟性 | ゴムならではの柔軟性(良好な屈曲性) | 曲がりにくい |
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1軽い:代表的な素材と比重の比較
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2強い:引張強度の比較
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3耐衝撃性:落錘衝撃吸収エネルギーと変位量の比較
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4柔軟性:U字曲げ耐久試験
曲げ回数を20万回実施したが、積層間の剥離は無く、また表層部のひび割れや炭素繊維のほつれ、その他損傷も全く見られなかった。
CFRシートの物性表(代表値)※厚さ1.0mm
ゴム材質 ※自社配合ゴム | EPDM(エチレン・プロピレンゴム) |
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比重 | 1.12~1.16 |
引張強度(Mpa) | 71.4~121.3 |
伸度(%) | 4.9~8.2 |
突き刺し強度(N) | 588.6~1083.6 |
衝撃強度(N) | 641.7~852.3 |
衝撃吸収エネルギー(J) | 3.9~5.1 |
サイズ | 幅1m(有効幅0.95m)×長さ47m×厚み1.0mm 注)①有効幅とはゴムと炭素繊維の接合領域 ②厚み公差±0.2mm |
ゴム硬度 | 60±5 注)ショア社のデュロメータAで測定しています。 |
ゴム色 | ブラック |
炭素繊維クロス | PAN系 3K平織 |
※ 上記数値は当社測定結果であり、保証値ではありませんのでご了承ください。(2020.08.30 改訂②)
CFRの用途
CFRは『軽量、高強度、衝撃吸収性、柔軟性』の他、導電性、電磁波シールド性、放熱性、耐熱性(基布のみ)などの特性があります。
これらの様々な特性を活かし、インフラや環境エネルギー関連の構造・補強部材、自動車や宇宙・航空機分野の部品のほか、建築土木や防災防衛分野、スポーツ・レジャー分野などさまざまな応用が期待されています。
現在CFRシートに使われている合成ゴムはEPDMですが、今後はシリコーンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴムなど、他のゴム材料での量産も計画しております。
また、様々な製品の実用化に向けてCFRシートは厚みやサイズ、色やゴム硬度の変更品などもテストをしており、製品開発企業様とタイアップして、シートだけでなく立体形状や2次加工品の製品開発なども協力しております。
CFRの用途開発をご検討の際には、お気軽にご相談ください。